トロント証券取引所は、同証券取引所に上場するカナダ企業のうち、過去3年間(2017年6月末~2020年6月末)の配当調整後株価上昇率が高い企業をランキング化した「TSX30」を発表しました。
Toronto Stock Exchange (TSX) today announced the 2020 TSX30™, a flagship program that showcases TSX’s 30 top-performing stocks that represent sustained excellence over the long term.
この表彰制度は2019年から始まっており、選ばれた30社の表彰や業績を祝う祝典(今年はオンラインで)行われる予定です。
TSX30銘柄の3年間の平均成長率は242%で、その結果221ビリオンカナダドルの時価総額が増えました。また、5銘柄がS&P/TSX 60(S&Pトロント60)構成銘柄で、16銘柄がS&P/TSX Composite Index(S&Pトロント総合)の構成銘柄だそうです。
というわけで、主な受賞銘柄を見ていきましょう。
ランキング | 銘柄 | ティッカー (米国市場) | 3年間の成長率 |
---|---|---|---|
1 | ショピファイ | SHOP | +1043% |
2 | バラードパワーシステムズ | BLDP | +459% |
3 | クロノスグループ | CRON | +378% |
4 | カークランドレイクゴールド | KL | +363% |
5 | アラサーゴールド | ALACF ※OTC市場のみ | +349% |
※6位以下はTSX30 2020 Winners | TMX MONEYを参照
以下は上位5銘柄の株価推移と、S&Pトロント総合に連動するETF(XIC.TO)の比較です。ETFの3年間のパフォーマンスがわずか+4%だったのに対し、受賞5銘柄のパフォーマンスは圧倒的です。
1位は日本でも比較的有名なカナダ企業であるショピファイでした。同社はカナダの上場企業として存在感を持つ成長株で、3年間の株価のパフォーマンスも他を圧倒しています。特にコロナショック後の株価上昇はすさまじかったですね。
2位のバラードパワーシステムズは燃料電池事業を展開するハイテク銘柄です。旧来の化石燃料事業者が多いカナダで、この銘柄はすごく貴重です。
その他、クロノスグループ(大麻株)、カークランドレイクゴールド(金鉱株)、アラサーゴールド(金鉱株)と続きました。カークランドレイクゴールドは2019年までの10年間のパフォーマンスも優れていたことは、以下の記事で紹介しています。

30位まで見ると、全体的に金鉱株や銀鉱株を含む資源系の銘柄が多いのは、最近のゴールド価格の上昇が影響しているように感じます。
ちなみに、ここで紹介した上位5銘柄は、アラサーゴールドを除き日本のネット証券から、米国株取引を通じて売買できる銘柄です。ショピファイやバラードパワーシステムズは、テーマとして将来性もあると思うので、チェックしてみてはいかがでしょうか。