カナダの主なエネルギー関連銘柄の負債比率(DEレシオ)を調べてみます。資源国のカナダにとって、原油・オイルサンド関連銘柄は重要なセクターです。

【DEレシオとは】
負債資本倍率(Debt Equity Ratio)とも呼ばれ、企業財務の健全性を見る指標のひとつ。企業の借金である有利子負債が返済義務のない自己資本(株主資本)の何倍かを示す。数値が低いほど財務内容が安定している。
残念ながら、2020年6月時点の情勢は、エネルギー株にとっては逆風が吹いている状態が続いています。将来株価が浮上するかはわかりませんが、その前に企業が倒産してしまうことだけは避けたいことです。
※DEレシオは数値が低いほど優秀で、Cash to Debt(現金負債比率)は数値が高いほど優秀(ただし、その現金は負債で補った可能性)。数値はgurufocusより引用。
企業 | DEレシオ (Debt to Equity) | 現金負債比率 (Cash to Debt) |
---|---|---|
カナディアンナチュラル (CNQ) | 0.68 | 0.06 |
ベイテックスエナジー (BTE) | 3.11 | 0.18 |
サンコアエナジー (SU) | 0.54 | 0.11 |
グランティアラエナジー (GTE) | 1.01 | 0.08 |
ハスキーエナジー (HUSKF) | 0.46 | 0.18 |
インペリアルオイル (IMO.TO) | 0.23 | 0.26 |
セノバスエナジー (CVE) | 0.54 | 0.02 |
バーミリオンエナジー (VET) | 1.81 | 0.01 |
エンブリッジ (ENB ※Mid stream) | 1 | 0.01 |
TCエナジー (TRP ※Mid stream) | 1.71 | 0.03 |
ペンビナパイプライン (PBA ※Mid stream) | 0.67 | 0.01 |
財務的にもっとも優秀だったのはインペリアルオイル(Imperial Oil(TSX:IMO))でした。この企業はエクソンモービルの子会社で、カナダで3番目(2014年時点)に大きな石油関連企業です。
次に優秀だったのがハスキーエナジー(Husky Energy(TSX:HSE))でした。この企業はカナダのオイルサンドの開発のほか、太平洋や大西洋にて原油の探査と採掘を行っています。2014年時点ではカナダで6番目に大きい企業です。
残念ながら、インペリアルオイルもハスキーエナジーも、日本のネット証券から投資する術はありません。
業界でもっとも大規模なサンコアエナジー(NYSE:SU、TSX:SU)とカナディアンナチュラル(NYSE:CNQ、TSX:CNQ)の負債はだいたい中間的でした。
一方、ベイテックスエナジーやグランティアラエナジーなど、中小の探査銘柄(アップストリーム)と、エンブリッジ・TCエナジーのパイプライン輸送銘柄(ミッドストリーム)を中心にDEレシオが高くなっています。
このうち、中小の銘柄はカナダやアメリカのオイルサンド地帯(シェールオイル地帯)のみにポートフォリオを有しているケースがあるので、採掘コストや政治的な理由から経営難になる可能性があります。
エンブリッジとTCエナジーはパイプライン敷設の設備投資が大きいものの、一度完成すれば長期契約で資金を得らえる業態です。そのため、ある程度の負債の大きさも許容されるのかもしれません。
ちなみにエクソンモービル(XOM)のDEレシオは0.25、シェブロン(CVX)のDEレシオは0.23でした。DEレシオベースで銘柄を選ぶなら、カナダのエネルギー関連銘柄を選ぶよりもスーパーメジャーを選んだほうが安心ですね。