前回はカナダの主要な金鉱株のコストについて調べたので、今回は金鉱関連のカナダ株のDEレシオ(負債比率)について調べてみました。

【DEレシオとは】
負債資本倍率(Debt Equity Ratio)とも呼ばれ、企業財務の健全性を見る指標のひとつ。企業の借金である有利子負債が返済義務のない自己資本(株主資本)の何倍かを示す。数値が低いほど財務内容が安定している。
一般に金鉱株は業務内容に付加価値をつけることができず、「より多くのゴールドを生産するか、採掘費用を下げるか」でしか業務を拡大できません。ということは、負債でがんじがらめになっているよりも、負債の少ない企業のほうが将来の拡大の可能性があるのでは?と思い、調べてみたまでです。
※DEレシオは数値が低いほど優秀で、Cash to Debt(現金負債比率)は数値が高いほど優秀。数値はgurufocusより引用。
企業 | DEレシオ (Debt to Equity) | 現金負債比率 (Cash to Debt) |
---|---|---|
バリックゴールド(GOLD) | 0.24 | 0.64 |
フランコネバダ(FNV) | 負債なし | 負債なし |
ウィートンプレシャスメタル(WPM) | 0.14 | 0.18 |
アグニコイーグルマインズ(AEM) | 0.56 | 0.48 |
カークランドレイクゴールド(KL) | 0.01 | 20.14 |
キンロスゴールド(KGC) | 0.48 | 0.45 |
B2ゴールド(BTG) | 0.11 | 0.92 |
ヤマナゴールド(AUY) | 0.24 | 0.33 |
アラモスゴールド(AGI) | 0.04 | 2.29 |
パンアメリカンシルバー(PAAS) | 0.13 | 0.8 |
SSRマイニング(SSRM) | 0.25 | 2.01 |
アイアムゴールド(IAG) | 0.21 | 1.66 |
ファーストマジェスティックシルバー(AG) | 0.26 | 0.91 |
プレティウムリソース(PVG) | 0.47 | 0.09 |
オシスコゴールド(OR) | 0.29 | 0.41 |
エルドラドゴールド(EGO) | 0.19 | 0.5 |
サンドストームゴールド(SAND) | 0.1 | 0.3 |
当然というか、カークランドレイクゴールド(KL)の健全さが際立ちますね。同社は、金鉱関連のカナダ株式の中で中堅クラスの採鉱企業です。現金の保有比率がバリックゴールド(GOLD、ABX.TO)よりも多いなど、かなり特徴的な企業です。
また、あまり注目していなかった企業としてアラモスゴールド(AGI)も素晴らしいですね。記事執筆時点で、同社の株価は10米ドルを下回っており、将来株価が上がる可能性があるか調べてみたくなりました。
フランコネバダ(FNV)は金のロイヤリティ・ストリーミング企業で、採掘そのものは行わない企業です。この企業を比較するなら、米ロイヤルゴールド(RGLD)などの負債と比べたほうがよさそうです。
ちなみに最も大きな金鉱株である米ニューモント(NEM)のDEレシオは0.32、現金負債比率(Cash to Debt)は0.57でした。企業規模など違いますが、全体的にはカナダの金鉱株はニューモントよりも少し負債を抑えた経営がされていると言えますね。