2020年5月29日にキャノピーグロースが第4四半期の決算を発表し、その結果株価は20%近く下落してしまいました。
その直前には、バンクオブアメリカが「キャノピーグロースの経営陣交代と最近の取り組みは評価に値する」と買い推奨と目標株価30ドルを発表するなど、比較的堅調な状況が続いていました。
これはまさか騙された??
四半期決算の中身を見てみる
カナダ国内での売り上げが減少
というわけで、キャノピーグロースの四半期決算の中身を見てみます。
第4四半期の売り上げは、主にカナダ国内での医療大麻の売り上げが減ったことで13%減少しました。企業向けの販売では31%(対前四半期)の減少、個人向けの販売では、新型コロナウイルスの感染拡大による小売店閉鎖のために14%減少(同)しています。
ただ、カナダ国内での医療大麻の売り上げの統計自体は一貫して増える(下グラフ)傾向にあり、キャノピーはカナダ国内でのシェア拡大に負けているようです。BNN Bloombergの記事によれば、カナダにおけるキャノピーのシェアは20%から15%に落ちていると述べられています。
出典:https://www.statista.com/statistics/1045766/cannabis-store-sales-canada/
カナダの娯楽用大麻の売り上げはここ1年間で3倍になったらしい
売り上げ伸びてるのにどの企業も赤字なのは無駄に派手にやってるからかしら https://t.co/Peh1fPHJa7
— みらいあせっと@東北投信🇨🇦🌴🇹🇭 (@instockexnet) May 28, 2020
大きな純損失を計上
一方、純損失が13億ドルと巨額です。当初コンセンサスでは2億ドルの純損失が見込まれていましたが、実際には8億ドル以上のリストラ費用と減損費用が計上されました。
ツイッターでは「毎日100ドル札を燃やしても実現不可能だ」などと、大喜利にされるほど。
同社では2020年1月に最高経営責任者が後退してから、いくつかの不採算事業から撤退や生産設備の閉鎖などに取り組んでいます。

BNN Bloombergの記事によれば、キャノピーグロースCEOのDavid Klein氏は「2022年度第4四半期までに調整後EBITDAがプラスになり、今後3~5年以内に完全に黒字化する」との目論見を撤回したとのこと。
今後はカナダ、米国、ドイツの3か国に力を入れつつも、特に米国の事業を中心に拡大していく見込みだそうです。
まだまだ長い時間がかかりそうです。
最近の株価
キャノピーグロースの最近の株価はこちら。
出典:tradingview
キャノピーグロースは5月29日まではやや買われすぎな傾向にありましたが、29日の急落で中立的な水準に戻りました。
3月以降は緩やかに上昇するトレンドラインの中で株価が上がってきたようにも思えます。現在の15ドル付近のサポートラインを割るかどうかで、今後のトレンドが決まるかなと個人的には思っています。