バリックゴールド(GOLD / ABX.TO)がパプアニューギニアで騒動に巻き込まれてる件

投資

バリックゴールド(GOLD / ABX.TO)が保有するパプアニューギニアのPorgera鉱山(ポルゲラ鉱山)で、政府とトラブルが発生しています。2020年6月現在でトラブルは継続中で、むしろより悪化しているような状況です。

仮にバリック側が鉱山を失った場合、年間生産量の約5%を失う見込みです。

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「採掘権の終わった鉱山を政府に引き渡せ」とのこと

バリックゴールドはPorgera鉱山に47.5%の権利を持っています(残りは中国Zijin Mining Group(紫金鉱業)と州政府)。この鉱山は2019年8月末で採掘権が満了しており、採掘延長を政府が認めませんでした

しかし、最近パプアニューギニアのジェームズ・マラペ首相は以下のように述べているようです。

★ジェームズ・マラペ首相の発言

  • 撤退時期の交渉が決まるまで操業は続けるように
  • Porgera鉱山を買収する
  • 私を妨害するなら、鉱山を私にゆだねる命令を出す

政府側はPorgera鉱山の国有化を希望しています撤退交渉時期まで操業を続けろというのは、国有化後も操業できるように鉱山を維持せよということでしょうか

なお、この鉱山がバリックゴールドに与える影響は以下のように推定されています。

Analyst Mike Parkin of National Bank says he estimates Porgera represents 2.6 per cent or C$1.22 billion of Barrick’s net asset value and accounts for 5.3 per cent of its 2020 gold production estimate at 267,000 ounces.

National BankのアナリストMike Parkin氏によると、PorgeraはBarrickの純資産価値の2.6%、12.2億カナダドルに相当し、2020年の金生産量26.7万オンスのうち5.3%を占めると推定している。

出典:Barrick Gold vows to fight ‘nationalization’ of gold mine in Papua New Guinea | BNN Bloomberg

バリックゴールドはカナダやアメリカ以外にも南米、アフリカ、そして上述のパプアニューギニアに鉱山の権利を有しています。

採掘現場は世界中に分散されているとはいえ、いわゆる「新興国」や「フロンティア」と呼ばれる地域で操業も多く、政治的な理由で採掘権がなくなってしまうリスクが怖いところですね。

中国の関与も影響か?

上述の通り、Porgera鉱山の47.5%の権益は中国の紫金鉱業が有しています。今回の問題は中国やオーストラリアの思惑も影響を与えているようです。

長期低金利の融資に借り換えることで対外債務の影響を軽減する一方で、ポルゲラ鉱山の国有化によって歳入増加を図っていると判断される。(中略)

BNL(バリックゴールドの合弁会社)の共同出資者である紫金鉱業は中国政府との関係も近いとされており、陳景河代表はPNG(パプアニューギニア)政府に対して、今回の誤った決定がこれからの中国のPNGに対する投資に深刻な影響を及ぼすと警告している。

出典:【経済】パプアニューギニアをめぐるオーストラリアの対中政策 | 株探ニュース

なお、オーストラリア側は、中国の影響を排除できるとして、Porgera鉱山の国有化を歓迎しています。この話はバリックゴールドと政府のトラブルではなく、オーストラリアや中国も含めた政治的な駆け引きの場になっているようです。

2020年6月追記:政府側は刑事訴訟

パプアニューギニア政府は「バリックゴールド側が違法にゴールドを輸出した」として、刑事訴訟の動きを見せています。この話は長引きそうですね。

Papua New Guinea accuses Barrick of plan to illegally export gold | Reuters