カナダ株式を時価総額比率で持つことの難しさを感じる

2008年以降のカナダ株式のセクター別パフォーマンス投資

2008年から2020年までのS&Pトロント総合指数(TSX Comp)のパフォーマンスはわずか1.84%でした。カナダ株はなぜこんなにパフォーマンスが悪かったのでしょう?というお話。

やっぱり、儲かるところに投資したいですよね?

調べてみると、S&Pトロント総合指数の上位構成銘柄は金融(銀行)やエネルギーが主体。これらは高配当な代わりに株価があまり上昇しなかったため、指数の成績も過去12年にわたって伸び悩んだ可能性がありました。

ここから、カナダ株式を時価総額で買うことの難しさを感じたというか、もっとセクター別に見ていった方が良さそうと感じたのが、この記事の主題です。

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カナダ株式のパフォーマンスはなぜ悪いのでしょう?

リーマンショック後のリターンは1.84%しかない

以下は2008年以降のカナダ株式のセクター別パフォーマンスを示したものです。

2008年以降のカナダ株式のセクター別パフォーマンス出典:https://www.barchart.com/ca/stocks/market-performance

この12年間のS&Pトロント総合指数(TSX Comp)のパフォーマンスはわずか1.84%でした(図中の黒いライン)。一時はプラス30%程度まで増えたものの、2020年3月の下落で大きくパフォーマンスを落としました。

「なんでこんなパフォーマンス悪いんでしょ?」と思ったわけですが、1つ理由がありました。それはS&Pトロント総合指数(TSX Comp)浮動株時価総額加重比率で決められている点です。

時価総額加重比率の問題

S&Pトロント総合指数(TSX Comp)の場合、主な構成銘柄は金融銘柄(ビッグファイブ)とエネルギー銘柄でした。一般にこれらの銘柄は高配当です。

最近は株価が大きく下がったので、構成銘柄もちょっと変わり、ショピファイやバリックゴールドなども入ってきました。

実はS&Pトロント高配当指数(S&P TSX composite high dividend index)の上位10銘柄のうち、4銘柄はトロント総合指数の上位10銘柄でもあります。

★トロント総合指数上位でかつ、高配当指数でも上位の銘柄

  • TCエナジー(TRP) / エネルギー
  • エンブリッジ(ENB) / エネルギー
  • バンクオブノバスコシア(BNS) / 金融
  • BCE(BCE) / 通信

一般に「高配当な銘柄は不人気な株」であることも多いです。市場では割安に放置されているから、配当利回りが高い可能性があります。加えて、不人気だから、配当利回りを高めて注目を浴びようしている可能性もあるわけです。

個人投資家としては嬉しいのですけどね??

GAFAに代表される成長株が大きな時価総額を占めた米国に対し、期待感のない銀行株やエネルギー株が大きな時価総額を占めたカナダでは、株価の上昇が限定的でした。それがトロント総合指数の伸び悩みにつながったと思います。

なお、期間中、金融セクターは約25%のプラスリターンを記録したのに対し、エネルギーセクターはなんと81%の下落を記録しました。この相反する値動きもトロント総合指数の足を引っ張っています。

結局のところ、リーマンショック後に大きなIT企業が成長しなかったから、伝統的な業種が時価総額上位に残り続けたのだと思います。

ちなみに、ITセクターだけでみると215.94%の上昇を記録しているので、セクターをきちんと選べば米国並みの成長を享受できたみたいですね。

他のセクターにも目を向けてみる

というわけで、カナダ株を買うときには指数買いするよりも、うまくセクター別にバラしてみたほうが良いのでは?と最近思うところです。リーマンショック後に特にパフォーマンスが良かったのは、以下の3つのセクターでした。

★リーマン後に高いパフォーマンスを出したカナダ株のセクター

  • 生活必需品
  • IT
  • 資本財

上記セクターに属する銘柄のうち、日本から購入できる銘柄は限られます。

★上記セクターに属する主な銘柄

  • ショピファイ(SHOP) / IT
  • オープンテキスト(OTEX) / IT
  • CGI(GIB) / IT
  • トムソンロイター(TRI) / 資本財
  • カナディアンパシフィック鉄道(CP) / 資本財
  • カナディアンナショラル鉄道(CNR) / 資本財

2020年4月時点の情勢だと、低金利は継続し、原油価格はまだまだ低迷しそうです。ということは金融セクター(主に銀行)やエネルギーセクターは外した方が無難だと思いますが、どうでしょうか?