カナダ株の運用方針について、「ファンダメンタルズ見て、ただ何となく買う」ところから「最小分散ポートフォリオでの運用を前提とする」ところに変えようと思います。もちろん、業績的に悪い企業は弾くことになりますが、「いろいろ銘柄買いたいなぁ」とも思うので、ポートフォリオ全体でもリスクコントロールをしようと思うのです。
世の中にはカナダ株の最小分散を計算した指数もあるので、それの劣化コピーを目指すところから始めます。
我ながらマニアックなことをやり始めてるなぁと思うんですが、どうなんですかね、これは。。。
今までの運用の話はこちらから。

「なんとなく購入」から「最小分散ポートフォリオへ」
これまでカナダ株は「買えればいい」みたいなノリで買ってたので、正直強いコンセプトも運用方針も何も持たずに銘柄を買ってましたw一応、銘柄チェックとかはほんのりやってはいたんですけど。

ただ、やっぱり適当に購入して、相場で損をするのも不本意なので、ちょっと方針を変えたいと思ったのです。
というわけで、今回は「最小分散ポートフォリオ」を導入してみることにしました。
【最小分散ポートフォリオとは】
銘柄の組み合わせを変えたり、組入比率を増減することによって株式ポートフォリオ全体の価格変動リスクを抑えるよう投資する手法(中略)
最小分散投資に関連し、様々な株式ポートフォリオについて、過去のリスク(=分散)が小さいほど、その後の実績リターンが大きくなり市場平均のリターンをも上回る「ローリスク・ハイリターン」の実証研究結果が相次ぎ報告されたことが、運用リスクを抑えたうえで高成績を狙う株式ポートフォリオ運用につながった。
そもそも、カナダ株を一般的なインデックスの比率(時価総額比率)で保有すると、上位銘柄は銀行株やエネルギー株だらけになってしまうデメリットがあります(下グラフ)。どちらも高配当株としては人気ですが、景気変動に弱く、暴落でダメージを受けがちです。
出典:MSCIやS&Pの資料をもとに筆者作成
以下の記事で書いたように、時価総額でカナダ株を持つのは結構厳しいかもしれません。

そこで、最小分散ポートフォリオを作ることで、価格変動を抑え、リターンだけを取り出そうという算段です。
カナダ市場の時価総額比率 vs 最小分散ポートフォリオ
ところで、「世界には1つぐらいはカナダ市場の最小分散ポートフォリオのインデックスがあるよね」と検索したら、やはりありました。それが「STOXX Canada 240 Minimum Variance」です。STOXX(ストックス)はドイツの取引所傘下の企業で、指数の開発などを行っています。ヨーロッパの株を買おうとすると、名前を聞くことが多いですね。
というわけで、「STOXX Canada 240 Minimum Variance」のお話。以下のグラフは浮動株時価総額比率で構成銘柄が決まる「STOXX Canada 240」との比較です(S&Pトロント総合指数は時価総額比率なので、おおよそSTOXX Canada 240と近似します)。
https://www.stoxx.com/index-details?symbol=SA2CMVCB
出典:https://www.stoxx.com/index-details?symbol=SA2CMVCB
この比較はすごく興味深いです。
だって、今まで株価のパフォーマンスがさえないと思っていたカナダ市場が、米国S&P500指数のように右肩上がりのチャートになったのですから!
最小分散ってこんなにがんがん右肩上がりになる投資手法でしたっけww
これほどパフォーマンスに差が出る背景には、構成銘柄の違いがあります。
先に述べたように、カナダ株を時価総額比率で保有するとビッグファイブに代表される銀行株が上位に来ます。一方、「STOXX Canada 240 Minimum Variance」の上位構成銘柄はBCEやFRANCO-NEVADA、TELUS(ネット証券では購入不可)など全く別の企業です。
ちなみに、記事執筆時点で医療大麻株は「STOXX Canada 240 Minimum Variance」に一切含まれていません。まあ、当然っちゃ当然ですねw
自分で最小分散ポートフォリオ計算しようか(笑)
というわけで、ただ何となく買うよりかは最小分散ポートフォリオを構築して、リスクを低減したポートフォリオを作ったほうが儲かるのでは?と思った次第です。
残念ながら「STOXX Canada 240 Minimum Variance」には日本のネット証券からは購入できない銘柄が多数含まれるので、完全にコピーすることはできません。ただ、それでも保有銘柄比率は参考にできると思っています。
将来的には自分で計算できたらいいですよね。
昔、投信のアセットアロケーションの最小分散を計算するツールは作ったことがあるので、いかに手間をかけずにデータを収集して、最小分散の比率を求めるか、にすべてかかっています。
それまでは「STOXX Canada 240 Minimum Variance」の劣化コピーでやってこうかなと思います。
過去の運用の話はこちらからどうぞ!
