筆者が保有するカナディアンナチュラルリソーシズ(ティッカー:CNQ)ですが、2020年2月末からの下落相場で株価が大幅にダウン!まさかの3分の1にまでなってしまいました。
一方、このタイミングでまさかの増配。今後の株価はいったいどうなっちゃうの?
カナディアンナチュラルリソーシズの最近の株価はずたぼろです
世界的な需要低下と原油安で株価は7割引きに
カナディアンナチュラルリソーシズはカナダを含むいくつかの地域で原油や天然ガスのエネルギー資源採掘を行う事業者です。最近の新型肺炎騒動と同時に進む原油価格の急落を受けて、ここ2週間で株価が大幅に下がりました。
中東最大の産油国であるサウジアラビアの無謀ともいえる行動が原油価格の大暴落を招いた。サウジは3月7日に同国産原油の大幅値下げを、そして3月10日には、4月に生産量を2割増やし日量1200万バレルにすることを発表した。
これまでOPECプラス(石油輸出国機構とロシアなどの非加盟産油国の会合)での取り決めを超える減産を自らに課してきたサウジが、増産姿勢を打ち出した衝撃は大きかった。需給バランスが大きく崩れるとの見方から、WTI原油先物の価格は一時、30ドルを割り込んだ。
これはカナダ株式のセクター毎の株価推移を示したもので、2020年1月2日を0にそろえています。
出典:https://www.barchart.com/ca/stocks/market-performance
これを見ると、セクターの中でもっとも株価を下げているのはエネルギーセクターです。カナディアンナチュラルリソーシズ以外にもインペリアルオイル(Imperial Oil (IMO.TO))など、価格が半分以下になっている銘柄が多いです。
以下はカナディアンナチュラルリソーシズの2020年初来からの株価推移です。
出典:Atom Finance
年初来から7割引きですか(遠い目
おかげで配当利回りが11.72%(2020年3月18日現在)とあり得ない状況になっています。
しかしまさかの増配
しかし、ここでまさかの増配です。2020年3月20日に権利確定する分の配当金は1株0.425CAD(カナダドル。記事執筆時で1カナダドルは75円程度。税引き前)で、それまでの1株0.375CADから0.05CADの増配です。
カナディアンナチュラルリソーシズの配当金履歴(※Javascriptで表示するため、ampページでは表示されません)。
https://www.cnrl.com/investor-information/stock-information/dividend-policy.html
1月にもらった配当金から増えるのは嬉しいのですが、またすごいタイミングでしたね。。

ちなみに、ライバルの1社である米オキシデンタル・ペトロリアムはすでに86%の大幅減配を発表していますね。
Occidental Petroleum slashed its quarterly dividend by 86% on Tuesday, becoming one of the biggest casualties of the recent plunge in oil prices.
この増配は現在の原油安は織り込んでないんでしょうね、きっと。
※ということで配当金をもらいました。

今後の業績は赤字転落の可能性も
WTI Crude Oil Pricesは2016年にも一度大幅に下がりました。以下はMacrotrendsから引用したグラフです。
出典:https://www.macrotrends.net/2516/wti-crude-oil-prices-10-year-daily-chart
この時のカナディアンナチュラルリソーシズの業績を見ると、2016年の業績は2014年比で半減し、営業利益は2015年、2016年と赤字に転落しました。同社はこの期間投資キャッシュフロー(Cash from Investing Activities)を抑えることで、支出を抑えています。
一方、配当金は2015年に1度増配したあと、2016年末まで増配を行わず、原油価格が戻ってから増配を再開しました。この期間減配は一度も行っていません。
現在の原油安がどこまで続くかはわかりませんが、現時点では経営難を心配するほどではない状況かなと感じます。実際カナダのメディアを見ていても、今のところはカナディアンナチュラルリソーシズに対して悲観的な記事は見つけられませんでした。
とはいえ、一時的な赤字は避けられないかもしれません。新型肺炎の問題が長く続き、経済への影響が大きくなってきた時には減配も覚悟ですね。
同社は低コストさと強固なバランスシートをアピールする会社なので信じてホールドを続けます。