カナダの株式市場のパフォーマンスを知る際に役立つS&Pトロント総合指数(S&P/TSX Composite Index)を紹介します。トロント総合指数はカナダ市場のパフォーマンスを示す指数として、もっとも頻繁に使われています。
S&P/TSX Composite Index | S&P Dow Jones Indices
S&Pトロント総合指数はトロント証券取引所に上場する約1,500社のうち約220社を含みます。浮動株時価総額比率で算出されており、1975年を1000として算出されています。
もともとは「TSE300インデックス」という名前が使われていました。
他の主な指数は以下からご覧下さい。

S&Pトロント総合指数の特徴
構成銘柄数 | 222 |
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時価総額(平均) | 7799.43 |
時価総額(最大) | 101,755.47 |
時価総額(最小) | 373.86 |
時価総額(中央値) | 2,462.87 |
最上位銘柄の占める比率 | 6.4% |
上位10銘柄の占める比率 | 39% |
2020年7月時点のS&Pトロント総合指数の構成上位10銘柄は以下の通りです。10銘柄中4銘柄は金融セクターに属しています。
★S&Pトロント総合指数の上位構成銘柄
- ショピファイ
- ロイヤルバンクオブカナダ
- トロント・ドミニオンバンク
- カナディアンナショナルレイルウェイ
- エンブリッジ
- バンクオブノバスコシア
- バリックゴールド
- ブルックフィールドアセットマネジメント
- TCエナジーコーポレーション
- BCE
S&Pトロント総合指数の構成銘柄リストは英語版のウィキペディアを見たほうが早いです。割と知らない企業ばかりですが、中には米国にも上場する企業も含まれていますね。
https://en.wikipedia.org/wiki/S%26P/TSX_Composite_Index
ところで、カナダ株式は他の先進国市場同様に、株価が上がり続けてきた特徴を持っています。S&Pトロント総合指数の過去の株価推移は以下の通り。特に原油などの資源価格が高くなると、エネルギー・素材セクターの株価が上がりやすく、高いパフォーマンスにつながります。
S&Pトロント総合指数のチャート1979-1998(出典:https://ca.finance.yahoo.com/quote/%5EGSPTSE/chart?p=%5EGSPTSE)
S&Pトロント総合指数のチャート1998-2019(出典:https://ca.finance.yahoo.com/quote/%5EGSPTSE/chart?p=%5EGSPTSE)
投資に利用する際の留意点
カナダ市場のセクター比率はやや金融セクターに偏っています。以下の図はS&Pトロント総合指数のセクター構成比率です。
出典:https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/sp-tsx-composite-index/#overview
金融セクターは低成長・高配当の傾向が強く、それが近年のカナダ市場のパフォーマンスの低さを象徴しています。S&Pトロント総合指数の上位構成銘柄にはハイテク銘柄であるショピファイも含まれるものの、ショピファイに続く銘柄がありません。
個人的にはもう少し株価をけん引する銘柄の比率を高めたいと感じますね。
連動するETF
2020年7月現在、日本上場もしくは米国上場銘柄を利用してS&Pトロント総合指数に連動するETFに投資することはできません。
一方、カナダ・トロント市場には以下のETFを利用して、S&Pトロント総合指数とほぼ同等の成績を享受できます。
★トロント市場上場のS&Pトロント総合指数連動のETF
- iShares S&P/TSX Capped Composite Index Fund (XIC.TO)
- BMO S&P/TSX Capped Composite Index Fund (ZCN.TO)