カナダ・トロント証券取引所で利用されている株価指数「S&Pトロント60(S&P/TSX 60)」の特徴を紹介します。S&Pトロント60は構成銘柄が60社で、かつカナダの大型株に限られています。
S&P/TSX 60 | S&P Dow Jones Indices
どちらかと言えば、S&Pトロント60指数を目にする機会は少なめです。が、経営の安定した大型株だけを見たいときに便利な指数だと思います。
S&Pトロント60の特徴
S&Pトロント60指数はカナダ・トロント証券取引所に上場する大型株60銘柄から、浮動株時価総額加重平均方式で算出される株価指数です。1998年からカナダドル建てでの算出が始まり、2002年からは米ドル建てでも算出されています。
構成銘柄数 | 60 |
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時価総額(平均) | 30,662.45 |
時価総額(最大) | 138,590.95 |
時価総額(最小) | 4,021.94 |
時価総額(中央値) | 20,825.61 |
最上位銘柄の占める比率 | 7.9% |
上位10銘柄の占める比率 | 48.7% |
2020年6月末時点での構成上位10銘柄は以下の通りで、10銘柄中4銘柄は金融セクターに属しています。
★S&Pトロント60の上位構成銘柄
- ショピファイ
- ロイヤルバンクオブカナダ
- トロント・ドミニオンバンク
- カナディアンナショナルレイルウェイ
- エンブリッジ
- バンクオブノバスコシア
- バリックゴールド
- ブルックフィールドアセットマネジメント
- TCエナジーコーポレーション
- BCE
以下は2019年時点のS&Pトロント60のセクター別の構成比率をMSCIカナダインデックスの構成比率と比較したものです。
出典:https://www.spindices.com/indices/equity/sp-tsx-60-index

金融とエネルギーの比率が高く、それ以外のセクターの比率が低くなってしまうのがカナダ株式の特徴ですね。
パフォーマンスの比較
カナダでよく利用されるS&Pトロント総合指数(青線。詳細は下記記事参照)と、S&Pトロント60指数(赤線)のパフォーマンスを比較してみました。ほとんど同じです。

連動するETF(トロント市場のみ)
2020年7月現在、日本上場もしくは米国上場銘柄を利用してS&Pトロント60に連動するETFに投資することはできません。
一方、カナダ・トロント市場には以下のETFを利用して、S&Pトロント60に連動した成績を享受できます。
★トロント市場上場のS&Pトロント60連動ETF
- iShares S&P/TSX60 インデックス ETF(XIU.TO)
- Horizons S&P/TSX60 インデックスETF(HXT.TO)