「MSCIカナダインデックス(MSCI canada Index)」はカナダ株式に投資する際に役に立つインデックス(指数)の1つです。この指数は中型株から大型株から構成された88銘柄から算出され、カナダの時価総額比率の約85%をカバーします。
筆者が投資する「iシェアーズMSCIカナダETF(iShares MSCI Canada ETF)」はこのインデックスを元にした修正インデックスに連動してるんですよ。
MSCIカナダインデックスの特徴
2020年5月末時点での構成上位10銘柄は以下の通りです。
★上位構成銘柄(2020年5月末)
- カナダロイヤル銀行
- ショピファイ
- トロント・ドミニオン銀行
- エンブリッジ
- カナディアンナショナル鉄道
- ノバスコシア銀行
- バリックゴールド
- TCエナジーコーポレーション
- ブルックフィールドアセットマネジメント
- カナディアンパシフィック鉄道
※指数の構成比率は約46%。2019年9月末時点。
この指数のセクター別構成比率は以下の通り。
MSCIカナダインデックスセクター比率(出典:https://www.msci.com/documents/10199/641d0cad-f861-4cb0-b9c5-7d37f0d33f55)
MSCIカナダインデックスの約4割が金融セクターです。これはカナダ5大銀行(ビッグファイブ)とルックフィールドアセットマネジメントの時価総額の大きさが影響しています。
金融の次に大きなセクターがエネルギーです。エンブリッジやTCエナジーはどちらもパイプライン事業者(中流事業者)でアルバータ州を中心に採取されたオイルサンドや天然ガスの輸送を担当します。
素材セクターはニュートリエンなどの肥料メーカーのほか、バリックゴールドやアグニコイーグルマインズなど、多数の金鉱関連銘柄も名を連ねます。
他の指数の比較
MSCIカナダインデックスの2004年以降のパフォーマンスは以下の通り。
MSCIカナダインデックスセクター比率(出典:https://www.msci.com/documents/10199/641d0cad-f861-4cb0-b9c5-7d37f0d33f55)
リーマンショック後、カナダ株式は原油やゴールドの価格上昇の影響で、他の先進国市場よりも早く株価を戻しました。しかし、どちらの資源価格も2015年頃までには低迷するようになったため、その後はレンジ相場となり、MSCIワールドインデックス(先進国全体の株価指数)に追いつかれてました。
現在は情報セクターの層の薄さゆえ、ワールドインデックスに劣後しています。
2020年5月末時点でのMSCIカナダインデックスのパフォーマンスは以下の通りです。
★株価指標(2020年5月末)
- 配当利回り:3.54%(2.25%)
- 株価収益率(P/E):16.91(19.25)
- 予想株価収益率(P/E Fwd):17.09(19.49)
- 株価純資産倍率(P/BV):1.63(2.28)
※カッコ内はMSCIワールドインデックス
MSCIカナダインデックスは高配当利回りで割安な状況です。もっとも、「期待されていない」とも言えますが。
連動する投資信託・ETF
★日本から買えるMSCIカナダインデックス連動ETF
- iシェアーズMSCIカナダETF(iShares MSCI Canada ETF)
- iShares MSCI Canada UCITS ETF(※)
- Xtrackers MSCI Canada UCITS ETF(※)
※欧州市場上場
日本からMSCIカナダインデックス連動のETFを買うなら、米国市場に上場する「iシェアーズMSCIカナダETF(iShares MSCI Canada ETF)」がもっとも低コストに取引できると思います。
MSCIカナダインデックス以外の指数については、こちらからご覧ください。

カナダ株式の他の主なインデックスは以下の記事からご覧ください。

